放課後(NO.671)

 卒業まで一カ月。彼らはこの三年間に大きく成長した。彼らは比較的問題行動も少なく、落ち着いて授業に挑んでくれたが、人間関係づくりではずいぶん心配もさせられた。「他人の気持ちを思いやることは不得意だが、周りに気を使いすぎる。メールで陰口を言うが、面と向かって自己表現できない」。


そんな彼らも、優しい気持ちをいかに表すかを学んできた。わがままと自己主張の違いも理解しようとしてきた。周りの人とのコミュニケーションも、ようやく取れるようになってきた。「各々が自立し、あたたかな気持ちが通い合う集団作り」には、本当はもう少し時間がほしい。
 彼らをそれでも信じよう。「地道に一歩一歩進んできた君たちだから、自分の足でしっかりと人生を歩んでいけるにちがいない。君の周りには仲間がいる。好き嫌いや小さなことを乗りこえて、みんなが力を合わせることのすばらしさを大切にし、よりよい社会を築く大きな力になってくれる」と。
祝卒業。
(J・Y)

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