はじめに

 京都市内の教職員の勤務条件は、2017年4月から給与費が京都府から京都市移譲されたことに伴い大きく変わりました。この2年間京都市教組は、市立高教組とともに、京都市教職員組合協議会として、市教委と交渉・折衝を繰り返してきました。その結果、2016年3月までの勤務条件をおおむね維持することができました。(大幅な勤務条件の改悪が行われた政令指定都市が少なくない中)これも、多くの教職員の署名などへのご協力の結果です。これからも、いっそうの勤務条件の改善に取り組んでいく所存です。
権利・休暇などは、安心して仕事に専念でき、人間らしい生活を送ることができ、仕事と家庭生活(子育てや家族介護)を両立していく上で最低限のものです。職場で学習し、必要なときには安心して諸権利が行使できる職場づくりをすすめましょう。

教職員の勤務時間

  1. 教職員の勤務時間・・・「1日7時間45分、週38時間45分」
  • 教職員の勤務条件の中で、最も基本の一つが勤務時間(労働時間)です。労働基準法第32条の「使用者は、1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならない」をふまえ、京都市教職員の給与、勤務時間等に関する条例で「1日7時間45分、週38時間45分」と定められています。                      職員の勤務時間は、休憩時間を除き、4週間を超えない期間につき1週間当たり38時間45分とする。                            任命権者は、月曜日から金曜日までの5日間において、1日につき7時間45分の勤務時間を割り振るものとする。                      日曜日及び土曜日は、週休日とする。                   職員は、祝日法にもとづく休日、年末年始の休日には、勤務することを要しない。特に勤務を命じられた場合、代休措置(休日等の振替)が講じられる。※これらの内容は市教委発行の「平成29年4月以降の勤務条件について」(平成29年4月)にも明記されています。

時間外勤務

3 時間外勤務は・・・原則として「時間外勤務はさせてはならない」
①教育職員には原則として時間外勤務を命じないものとする(給特法及び基準政、勤務時間条例)。
②時間外勤務を命じる場合は、以下の4項目に限定され、臨時又は緊急やむを得ない必要があるときに限られています。
◇校外実習その他生徒の実習に関する業務                   ◇修学旅行その他学校の行事に関する業務
◇職員会議に関する業務
◇非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務
③教育職員に時間外勤務を命じる場合、「関係教育職員の繁忙の度合い、健康状況等を勘案するとともに、その意向を十分尊重しなければならない」「やむを得ず時間外勤務をさせた場合、すみやかに回復措置を講じるよう努める」とされています(市教組と市教委との「確認書」)。

特別休暇

特別休暇は、結婚、出産、子育てなど特別な事由によって勤務しないことが相当である場合の休暇(有給)です。「特別休暇基準及びその期間」として定められています。以下、休暇の主なものです。

1 結婚休暇 (7日以内)職員が結婚する場合の休暇、分割して取得することは可能。(※運用で直後の長期休業まで取得可、2017年からは3学期に結婚の場合、夏休みまで取得可

2 妊娠障害休務 (3週間以内)妊娠中の女性教職員が妊娠に起因すると認められる諸障害のため勤務することが著しく困難なときの休暇

3 出産休暇                               ○産前休暇:出産予定日8週間前(多胎妊娠の場合14週間前)         ○産後休暇:産後8週間(予定日より)

4 生理休暇 (1回について3日以内)                   生理日に勤務することが著しく困難な場合の休暇

5 育児休務 (1日90分以内、30分単位)                生後満1歳6月に満たない子どもを育児する場合の休暇

6 出産補助休務 (3日間)                       配偶者が出産する場合(入・退院時の付き添い、入院中の世話、出生届など)

7 育児参加休務 (5日間)                       配偶者の産前・産後期間中に、子どもの養育を行なう場合の休暇

8 子育て休務(1年度7日、子ども2人10日、3人以上は1人につきさらに1日)

①取得要件 子どもが病気の時、看護や通院等の世話をする場合、子どもの予防接種、健康診断・健康診査に付き添う場合、子どもが在籍する学校の行事に参加する場合                                    *小学校3年生以下の子がいる場合、学校等が臨時休校の場合も対象      *任意の予防接種・健康診断も含む                      *学校行事・・・入学式・卒業式、授業参観、運動会、家庭訪問、学級懇談会など  *子が合格した高校の入学説明会も含む

②子どもの範囲 満15歳に達する日以後の3月末まで(中学校卒業まで)           *2013・1~特別支援学校高等部在籍の子も対象になりました

③取得単位 1日・半日・1時間を単位に取得できます

9 服喪休暇 (後日、会葬礼状等を提出するなど、2007年12月から手続きが厳格になりました)職員の親族が死亡した場合、葬儀等のために勤務しないことが相当と認められる時の休暇(配偶者7日、父母・子7日、祖父母・孫など3日)

10 夏季休暇 (7月から9月の間に5日間、1日又は半日単位で取得できる)  夏季において盆等の諸行事、帰省等の家族旅行、健康増進のためのスポーツ、自宅での休養、趣味・娯楽等を行うための休暇(2014年1月~日数改善、1日増)

11 ボランティア休暇 (1暦年5日)                    職員が自発的に、かつ、報酬を得ないで社会に貢献する活動のための休暇

12 介護休暇(2週間以上の場合)親族1人の1症状につき連続3ヶ月の範囲内       (1週間以上の場合)親族1人につき、3回を限度(1回1週間~2週間)年度が替われば再取得は可。(同居要件なし。3回まで分割取得可)             *介護休職(1ヶ月~3ヶ月)同一症状での再取得は不可。          *短期介護休務5日(2人以上は10日)有給                    *介護時間の新設(1日2時間 3年間 無給)

12 短期介護休務 (1暦年5日、2人以上の場合は10日)           ◎妊娠中の教職員には、母体・胎児の健康保持のため、通勤緩和や「休息・捕食」、体育実技免除など勤務軽減措置(非常勤講師の配置)があります。

年次有給休暇(年休)

労働基準法39条は、労働者に有給休暇を与えることを使用者の義務として規定し、労働者に労働から解放され、人間にふさわしい文化的・社会的な生活を営むために必要と認められる最小限の休暇を保障しています(給与条例)。

1 年休の付与日数

①1年度(4月~3月)について20日

②4月に採用された新任教職員は20日

2 取得単位…1日・半日・1時間を単位に取得できます。時間単位の取得は、上限120時間。(ただし、育児・介護・通院については制限無し)

3 繰越…年休は20日を限度に翌年に繰り越すことができます。

(新採の人の繰越例)

付与日数 取得日数例 繰越
1年目 20日 10日 10日
2年目 30日(20日+10日) 15日 15日
3年目 35日(20日+15日) 15日 20日
4年目 40日(20日+20日) 20日 20日

4 任命権者は、年休を職員の請求する時季に与えなければならない

5 年休の性格…(最高裁判決 昭48・3・2)

①年休は、特別休暇などと異なり、届出(請求)することで成立します。管理職が「承認」する必要はありません。請求とは、休暇の時季を指定するという趣旨。 ②年休の時季の指定したときは、その指定によって年休が成立し、就労義務が消滅する。                                  ③年休をどのように利用するかは労働者の自由。               ※管理職には「次期変更権」があります。通常成立するような事態(学校教育が成り立たない)は起こりえません。

 6 使用者は年休を取得した労働者に対して、不利益な取扱いをしないようにしなければならない(労基法136条)。

 7 市教委は管理職員に対し、職員の年休の取得について「年間を通じた計画的な使用の促進に努めること」と通知しています。(2017年4月教育長通知)

病気休務・病気休職

病気休務は、負傷や疾病のため療養する必要があり、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合の休暇です(有給)。「負傷・疾病」に不妊症が追加され、不妊検査・不妊治療等が病気休暇の対象になりました。(2014年1月から)

1 病気休務の期間・・・75日(要勤務日)または、4ヶ月                                                ①単位・・1日、半日、1時間(時間単位は人工透析・インターフェロン治療のみ)                                                                                                                                                ②公務上の負傷の場合は、その都度必要と認められる期間。                                         ③病気休務の承認を受けた職員が職務に復帰した後、6月以内に同一疾病で病気休務の承認を受けようとする場合は、前の病気休務の期間と通算されます。

2 病気休務の申請・手続き                                                                                               ①長期間(週休日等を除き7日以上)の病気休務は病気休暇の申請ととともに、医師の診断書を添付する。

②短期間(7日未満)の病気休務は                                                                                      ○医師の診断書、医療機関の領収書、薬袋等医療機関の受診が確認できる書類を後日提出する。

3 病気が治らない場合は、病気休職に

病気休務(要勤務日75日又は4ヶ月)を取得した後、なお療養が必要な場合、「心身の故障により、長期の休養を要する場合」として病気休職に入ります。期間は最高3年間です。〔(通算):病気休職復職後、6カ月以内に同一疾病で休む場合は休職で通算〕休職給(1年目100%、2年目2/3支給)

4 病気休職等から復職する場合、講師との引継ぎや勤務軽減措置があります。

 

 

育児のための休暇・休業制度

育児休業制度は、子を養育する教職員の継続的な勤務を促進し、教職員の福祉を増進するとともに、地方公共団体の行政(教育)の円滑な運営に資することを目的としています。

1 育児休業

①対象職員:満3歳までの子をもつ男女すべての教職員

②休業期間:子どもが満3歳になる日まで

③育児休業手当金:
育児休業期間、賃金は支給されませんが、共済組合から育児休業手当金が1歳(又は1歳半)まで支給されます(給料日額の50%相当)

④期間の延長:特別の事情がある場合を除き、期間の延長は1回限り

⑤不利益取扱いの禁止:育児休業を理由に不利益な取扱いを受けません

2 育児部分休業

①対象職員:小学校就学の始期に達する日までの子を養育する教職員

②休業できる期間:
子が小学校就学の始期に達する日までの期間
勤務時間の初め又は終わりにおいて1日を通じて2時間を超えない範囲内(15分単位)
③育児休務との関係:
育児休務(満1歳半まで、1日90分)が承認されている場合、2時間から育児時間を減じた時間を超えない範囲内(30分)

④育児部分休業は給与が減額されます(育児時間は有給)

3 育児休務(特別休暇、1日2回90分以内、有給)

 出産日から1歳6月に達しない子どもを養育する場合の休暇

4 育児部分休務

小学校1,2年生の子を養育する場合                    1日の勤務時間の始めまたは終わり2時間の範囲で15分単位         勤務しない1時間につき、給与減額

5 育児短時間勤務

 職員は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育するため、子が小学校就学の日に達するまで、育児短時間勤務をすることができます。

①勤務形態:
ア 3時間55分勤務×5日=19時間35分
イ 4時間55分勤務×5日=24時間35分
ウ 7時間45分勤務×3日=23時間15分
エ 7時間45分×2日+3時間55分×1日=19時間25分
②請求:
育児短時間勤務をしようとする期間(1月以上1年以下)の初日と末日、勤務形態を明らかにし、初日の1月前までに請求する

③代替講師:非常勤講師(定額講師、定数活用非常勤講師等)が配置されます。

6 子育て休務

①中学校3年生まで又は総合支援学校(特別支援学校)に在籍する子を養育する教職員が、当該子の看護等を行う場合                     ②対象となる行事など 子の看護、子が受ける予防接種または健康診断の付添い、子が在籍している、または在籍することとなる学校等の実施する行事への出席  ③1年度において7日以内(対象となる子2人の場合10日、3人以上の場合1人に付き1日加算)                             ④1日、半日、1時間(8時間を1日に換算)

 

 

週休日の振替、泊行事の割振り変更

4 「制度面からの超勤縮減策」について
①週休日に業務を行なった場合、週休日の振替を行ない、休日を保障する
○振替を可能とする週休日の業務
・学習活動 ・学校説明会 ・入学者選抜 ・地域行事 ・PTA行事 ・大会業務運営
・部活動指導(上限は、1年につき最大12日間) ・高大連携業務の生徒引率
・2016年度から大会業務運営、障害者スポーツ大会を追加
○週休日を振り替える可能期間 (教育職員の場合)
週休日の振替は、基本は週休日業務(勤務)のある日の週を含む週内での振替を行うように努め、それが無理な場合「前4週間、後8週間」、それでも無理な場合「前4週間、後16週間」の間とすることとされています。             ・振替は1日及び半日単位。                                 ・事務職員は前4週後8週

②宿泊を伴う学校の行事における勤務時間の割振り
修学旅行など宿泊を伴う学校行事では、深夜や早朝の勤務など時間外勤務が余儀なくされています。そのため1泊2日の場合、行事実施の日に予め7時間45分を超える勤務時間(例13時間45分)を割振り、行事前後の日に7時間45分を下回る勤務時間(例6時間分を1日または数日に)を割振り、週38時間45分勤務とするものです(1泊上限6時間の割振変更が可能)。
・2013年4月から宿泊行事の最終日の時間外勤務も割振り変更の対象に。
・行事実施の週での割振り変更を基本に、4週間内(前後)に割振り変更を行います。                                   ・管理職は行事の出発前に割振りを各教職員に示し、合意を得なければなりません。

休憩について

2 休憩時間・・・勤務から解放され、疲労を回復する時間
①任命権者は、1日の勤務時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超 える場合は少なくとも1時間の休憩時間を、勤務時間の途中に置かなければならない(労基法、勤務時間条例)。
②休憩時間は、一斉に与え、自由に利用させなければならない。(労基法34条)
③休憩時間の3つの原則(途中に、一斉に、自由利用)をふまえつつ、管理職に、実質的に休憩が取得できるよう保障する責任があります。また、管理職は勤務時・休憩時間を文書で明示しなければなりません。                ※京都市内の学校では、実質的に休憩が取得できるよう分割取得が可能となっています。管理職は毎年、全教職員の休憩時間を文書で明示することとなっています。※休憩時間は自由利用であり校外に出ることも可能です。           ※当日、休憩時間が設定された時間帯に取れなかった場合は、勤務時間終了までに取得することができます。ただし、勤務時間の最後に取得することはできません。※管理職は、教職員の休憩時間を保障するために、休憩時間が設定されている時間帯に会議等を入れることはできません。