放課後(NO.703)

定年まであと一年と四ヵ月余り。よくぞここまで持ったもんだ。思い起こせば、この教師生活の中で、何回「辞めたる!」と叫んだことか。そのたびに、生徒・保護者・同僚の方々の支えで何とか立ち直ることができた。感謝。


 今の学校に赴任した時、生徒指導を終え、部屋を出てきたら、三年の女子生徒が「先生お疲れ様」と言って、そこら辺にある野イチゴを摘み、洗って持ってきてくれた。「え~っ、京都市の中にもこんな中学校があったんだ」と感激したことを思い出す。
 桜やアジサイ、つつじや藤に紅葉、果ては見事な雪景色まで、四季折々に姿を変える素晴らしい自然を眺めながら教師としての醍醐味を感じている。
 教師も生徒も本当に望んでいるのは一体何なんだろうか。今の学校現場は周りの景色にさえ気がつかないくらいの切羽詰まった毎日を教師も子どもも過ごしているのではあるまいか。みなさん、一度落ち着いて周りを見渡してみましょう。きっとそこには素晴らしいものが隠されているかもしれませんよ。素朴な子どもたちと残りわずかな教師生活を満喫しながら、ささやかな老婆心。(K・K)

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