ジュニア京都検定再実施に抗議する申し入れ書

2007年 9月 6日

京都市教育委員会
教育委員長 田中 田鶴子 様
教育長   門川 大作 様

京都市教職員組合    
執行委員長 新谷 一男

「歴史都市京都から学ぶジュニア日本文化検定」に
                  ついての申入書

  平素より、憲法と教育基本法にもとづく民主教育の発展のため、また教職員が安心して教育に専念できる条件確立のために、ご努力されておられることに心から敬意を表します。
  さて、昨年11月に全市の小学校で一斉に実施された「歴史都市京都から学ぶジュニア日本文化検定」について、私たち京都市教職員組合は、①記述に誤りや不正確な点があり、企業広告や特定企業の経営者を礼賛するような記述の掲載されたテキストを、教材として4年生以上の全児童に配布している点、②このテキストを使っての教室での指導、学校内で授業時間中の検定実施を指導しているのは、各学校の教育課程編成権を侵害している点、③受検が任意であることが子どもたちや保護者に一切知らされていない点、等を指摘して、授業時間内に検定を実施しないこと、授業でのテキスト使用を中止すること、などを申し入れてきました。またこのテキストおよび検定実施については、幅広い市民や歴史研究者などから問題視する意見が相次いでおり、市民団体からは予算執行についての不備を指摘する住民監査請求も起こされ、京都市監査委員会も手続き上の不備や検定実施への市長の介入の不適切性を指摘しています。
 京都の歴史や文化に興味を持った子どもが、学校教育以外の場で自発的に検定を受けることを私たちは否定するものではありませんが、上記の諸点から見て、この検定を学校内において学校教育の一部として実施することは許されるものではありません。
 貴教育委員会は、「検定を『実施する』又は『実施しない』ことについても、学校長の権限である」「(市教委は)全員が受検することを指示したことはなく、強制していない」と何度も回答しながら、昨年11月の検定実施の折には、受検人数の市教委への報告が厳しく求められ、受検した子どもの少なかった学級の担任に対して、学校長が後日の再受検を執拗に求めてきた、などの実態が現場から報告されています。このことからも学校長に対する締め付けの下に学校での受検が事実上強制されたことが伺われます。
 これらの批判にもかかわらず、貴教育委員会は今年度も、8月の夏休み明けから9月上旬に昨年同様、小学校内での検定を実施しています。市民や教職員の疑問の声を無視したこのような動きに私たちは強く抗議し、以下の点を申し入れます。

1.「歴史都市京都から学ぶジュニア日本文化検定」の学校内での実施を中止すること。

2.企業広告や一部経営者を礼賛するような記述、歴史学的に見て不正確な記述の掲載されたテキストを児童生徒に配布することを中止するとともに、授業での使用を中止させること。

以上

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です