【声明】「全国一斉学力テスト」強行実施に強く抗議する

【声明】「全国一斉学力テスト」強行実施に強く抗議し、
 改悪「教育基本法」の具体化を許さないために、
今後も奮闘する。 

2007年4月24日
京都市教職員組合中央執行委員会

 本日、文部科学省は、「全国学力・学習状況調査」(全国一斉学力テスト)を、多くの父母・市民・教職員などの反対の声を押し切って強行しました。「競争の教育」を激化させ、子どもたちをいっそう追い込む「調査」強行に、私たちは強く抗議するものです。

 40年前の全国学力テストの例を見るまでもなく、このような全国悉皆調査は、すべての地方・学校、そして子どもたちの序列化につながり、テストの点数競争に子どもたちや学校を追い立てるものである、と多くの研究者や教職員から指摘されてきました。実際に京都市内の学校では、昨年の「予備調査」の問題に類似した練習問題を配布して子どもに試験対策の勉強をさせるなどの動きが見られました。京都市教委により、3月に各学校に作成が押しつけられた「学力向上プラン」の指示文書では、「学力」を検証する手段として「全国的な学力調査」が明記されるなど、全国一斉学力テストの点数を上げることをことさらに意識した教育が奨励されています。これらの動きは、一面的な点数至上主義に教職員を駆り立てるものであり、学力そのもののあり方をゆがめてしまうものです。

 一方、テストの点数など子どもの個人情報を受験産業に丸投げする点について、多くの父母・市民からの批判が高まり、文科省は「氏名・個人番号対照方式」をとることを認めざるを得ませんでした。その結果、京都市など全国約24%の学校で「番号方式」が実施されました。また、昨年の予備調査の「質問紙」調査の項目に「自分は家の人に大切にされていると思うか」など子どもの内心に踏み込む内容が含まれていたことも、大きな問題となり、本日実施された調査ではそれらの項目の一部が削除されました。しかし、家庭生活など子どものプライバシーに立ち入った質問もまだ数多く見られ、全国一斉学力テストの問題点の本質は変わっていません。

 市教組では、全教職員向け「Q&A」を発行し、職場討議を呼びかけました。京都市教委に申入書を提出し、「テスト」への不参加を求めました。またもし実施するとしても「番号対照方式」の採用すること、個人特定につながる出席番号記入をやめさせることなどを、再三にわたり折衝などで申し入れました。さらに、新日本婦人の会など地域の民主団体との懇談をすすめ、各学校長に父母・市民が抗議の申し入れに行く、などのとりくみも行われました。

 9月にはこの調査結果が文科省から発表されます。「都道府県別の平均点以外は発表しない」と文科省はしていますが、安倍首相は「学校を通じて結果が発表される」と語っています。学校の序列化につながる結果公表をさせないとりくみが緊急に求められます。またすでに、来年以後毎年、4月の第4週の火曜日に調査を実施することが発表されています。全国一斉学力テストの本質的な問題点をよりいっそう多くの父母・市民に広げ、テストそのものを中止させるとりくみをすすめていかなくてはなりません。私たち京都市教職員組合は、教育基本法改悪反対の運動で大きく広がった、父母・市民との共同の力を生かし、改悪「教育基本法」の具体化をゆるさないたたかい、当面、「教育改革」関連三法案の成立阻止と、全国一斉学力テストを二度と実施させないとりくみに、全力を挙げる決意を表明するものです。

以上

こちらもお読み下さい。「全国一斉学力テストQ&A」(07.04.11)      
                       →「『全国学力テスト』中止を市教委に申し入れ」
(07.02.26)

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