教員採用制度の改善を求める緊急申し入れ

7月23日、京都市教組は、大分県教員採用試験汚職事件及び一連のマスコミ報道を受けて、教員採用制度の改善を求める緊急申し入れ書を京都市教委へ提出      

2008年7月23日

京都市教育委員会
教育委員長  水野彌一 様
教 育 長   高桑 三男 様
京都市教職員組合協議会
議 長   堀 徹也
京都市立高等学校教職員組合
執行委員長 堀 徹也
京都市教職員組合
執行委員長 新谷一男
大分県教員採用試験汚職事件及び一連のマスコミ報道を受けて
教員採用制度の改善を求める緊急申し入れ書

大分県の教員採用をめぐる汚職事件は、教育行政、学校教育と教員への信頼を揺るがす重大な事件として、教育関係者の中に、とまどいと怒りの声が広がっています。さらに、新聞報道によると京都市教育委員会が、議員など有力者に試験結果を本人とは別に通知していたことが明らかになっています。このことは、採用試験が公正・公平に行われているかを疑わせる事態であり、教員採用制度の根幹に関わる重大な問題です。これら一連の報道によって、保護者・市民の中にも不安と疑心暗鬼が引き起こされており、教育委員会として事実を明らかにする責任があります。
従来から教員採用試験については、不正・コネ採用の疑惑がつきまとってきていました。その背景には、選考過程・選考基準の不透明さがあります。私たち京都市教職員組合協議会は、1996年に弁護士、PTA関係者、学識経験者などとともに、「よりよい教員採用を求める会」を結成し、公正・公平な採用制度の実現をめざし、情報公開請求や制度改善の申し入れを行ってきました。その結果、採用試験問題の公開や一部採用基準の公開を実現するなど制度改善を実現していました。
私たちは、今回の事件を契機に、選考過程・選考基準の公開など、抜本的な教員採用制度の改善を求めるとともに、京都市教委に有力者への事前通知など、その実態を明らかにすることを求めるものです。

1.新聞報道されている京都市教委からの有力者への事後通知などの実態を明らかにすること。
2.教員採用の内容・基準・方法などをすべて公開し、市民にも開かれて納得のできる選考にすること。
①二次試験も含めて、すべての試験問題を公開するとともに、模範解答の公開を行うこと。
②筆記・実技試験・実践力テストおよび感動体験発表・面接の採点基準・選考基準を明らかにすること。
③採用試験を受けた本人の請求があれば、採点済の試験問題解答用紙や面接調書などの個人の情報を、試験内容ごとに細かく開示すること。
3.教員採用を公正かつ民主的に行うこと。
①選考にあたっては、「口利き」「縁故採用」など、不当な圧力・介入などを根絶すること。
②選考にあたっては、思想信条に関わる質問や調査を絶対にしないこと。

以上