市教組を強く大きくしよう―第40回市教組定期大会―


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第40回京都市教職員組合定期大会が、5月24日、教育文化センターホールで開催され、執行部を含め約400人の組合員が参加しました。


大会は午前中に新谷執行委員長のあいさつに続き、京教組・日本共産党の来賓あいさつ、執行部から総括と方針の提案がありました。続いて討議の柱に従って、一般討論が行われました。午後からは分会・支部ニュースコンクールの表彰、超勤・高橋・公務災害認定裁判闘争をしている当事者から訴えがありました。その後、一般討論が再開、市教委の押し付け施策の中で超勤が蔓延し、青年教職員にそのしわ寄せが及んでいる実態がリアルに報告されました。一方、京都市長選挙で示された、市民・父母の教育要求が教職員組合と結合した地域運動によって、前進している様子が語られ、確信が広がるものとなりました。そして、すべての議案と大会アピールが採択されました。 憲法を守り、子どもたちの未来を拓くために、改訂学習指導要領の実施による教育の改悪としっかり向き合い、市教組の隊列を強く大きくする取り組みに、全力を注ぐことを確認しました。


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執行委員長あいさつ
執行委員長 新谷 一男

大会に参加の代議員の皆さん、おはようございます。
早朝より開会時から参加いただいた皆さんに、連帯の挨拶を送りたいと思います。
今年度は早期退職の特別措置が実施されたこともあって、定年前の早期退職を含み、大量の退職者を迎えました。その一方、毎年三〇〇人近い新採者を迎え、学校の年齢構成はすっかり様変わりをしています。ベテラン教師の役割が、学校を支える中心だけでなく、次代の教育を担っていく青年教職員を育てながら、築き上げてきた教育実践を伝えていくことが求められています。学力の点数競争と愛国心に軸足を大きく移した、改訂学習指導要領が強要される状況の中で、とりわけこのことが重要です。また、たたかいとってきた諸権利や、教職員組合の運動を継承していく役割も持っています。いま、教職員組合の役割が輝き、その必要性が増している情勢です。そのためにも多くの教職員を組合の仲間に迎え入れ、組合を大きくしていくことを皆さんにお願いしたいと思います。
昨年の定期大会以降の一年間は、激動の情勢の中での一年間でした。戦後政治の中で誰もが手をつけなかった、教育基本法の改悪と憲法改悪の手続きである国民投票法を、国民の大きな反対の中で強行可決した安倍内閣が、七月の参議院選挙で国民の支持が得られず大敗北し、与野党の勢力が大逆転しました。安倍政権を引き継いだ福田内閣も、失政に続く失政で国民の支持も得られず、どのマスコミの世論調査でも支持率が一〇パーセント台になり、不支持が過半数を超える状況になっています。まさに国民が見放した政権末期の様相です。
京都市の教育をめぐる状況も、国の教育政策の先取りで、現場無視の格差拡大、競争の強化、問答無用の教育行政を強引に進めてきました。しかし、市教組は京都市長選挙のたたかいの中で、京都市教委の実態を暴露し、市民に訴え教育問題を大きな市長選挙の争点にまで押し上げ、中村和雄さんを先頭に大奮闘してきました。その中で、給食食器の改善や児童生徒の机・いすの新規の配布を実現させてきました。
また、高橋さんの分限免職処分撤回を求める裁判でも勝利しました。市教委の新採教員に対する指導の名のもとで自己責任ばかりを追及し、うつ病を発症しているにもかかわらず、不適格・指導力不足教員の烙印を押して、退職に追い込んできた不当な教育行政の姿が明らかになりました。また、超勤裁判でも、教職員に無定量な長時間労働をさせてきたことに断罪が下され、損害賠償が命じられる判決を勝ち取ることができました。
国政をめぐる大きな流れも、京都市や市教委の行政に厳しい監視の目や審判が下されたことも、自然発生的に問題が明らかになってきたのではありません。私たち市教組や良心的な教職員の教育を良くしたい、国民の暮らしを良くしたいとの思いが大きな国民的運動に発展し、市教組の職場からのたたかいと地域・父母との共同のひろがりがこのような状況を生み出したのです。市教組の旗を掲げて、子どものため、職場で働く仲間のために互いに手を携えて、がんばろうではありませんか。
代議員の皆さんの、職場・地域からのたたかいを反映した討論で、この大会を成功させることをお願いして、開会の挨拶とさせていただきます。