教職員の超勤常態化 ― 市教組超勤訴訟第十回公判 ―

 京都市を相手取り、長年の超過勤務を放置してきたことへの慰謝料と超過勤務手当等の支払いを求めて提訴した(市教組超勤訴訟)の第十回公判が、五月八日、京都地方裁判所で開かれました。

 今回は訴訟団長の塩貝光生さん(嵯峨中)の尋問と、市教委側証人の元嵯峨中学校長の今井雅彦さんの証人尋問が行われました。塩貝さんは、登下校指導、部活や教材準備など超勤の実態をリアルに証言し、超勤の常態化による長時間過密労働、同僚や若い教職員のすさまじい超過勤務実態を明らかにしました。

 今井元校長は、学校としての取り組みで登下校指導や部活動が行われ、事実上超勤実態にあることを認めました。また、教職員の健康管理については、具体的な労働軽減などの配慮をしてこなかったことも明らかになりました。教育課題が山積する中で、定員増のないまま校務分掌や校内委員会が増え、教職員の仕事増につながっていたことも認めました。

 次回公判は、七月三日に安本俊昭さん(元嵯峨中)の尋問が行われます。これで証人調べは終わり、年内には結審・判決が出される模様です。いっそう裁判所への要請署名の取り組みを強化することが求められています。