角過労自死事案で公務外の不当判決

691-2-2.jpg教師の労働実態から目を背ける京都地裁
一九九八年十二月に過労自殺した下鴨中学校教員の故角隆行さんの公務災害認定を求める裁判で、二〇一一年二月一日、京都地裁の瀧華裁判長(第三民事部)は、公務外の不当判決を行いました。


判決は、事実認定については原告の主張をほぼ認めました。また、争点の一つでもあったうつ病の発症時期についても、基金の医師が六月頃としたのに対して、原告が提出した植原医師(吉田病院)の鑑定意見書の主張を採用し、六月頃に抑うつ気分を発症し、七・八月にそれが増悪し、勤務の負担が重なった九月に発症したと結論づけています。しかし、公務はうつ病発症の一因に過ぎず、他の要因や個体の脆弱性(まじめで几帳面な性格など)を理由に公務災害と認めませんでした。
判決後の報告集会には、当時の生徒の父母の方、多くの原告の元同僚、過労死家族の会、大阪で過労自死の公務災害を実現した原告、京都総評、退職教職員の会、京教組の各支部の代表など、四十五人がかけつけました。参加者は、口々に地裁判決に対する怒りと今後のたたかいへの支援の決意を語りました。
その後、あいさつにたった原告の角奈弥子さんは、「今までの大変な苦労に対して、『棄却する』のひと言でかたづけられたのは非常に悔しい。しかし、みなさんの話を聞いて、たたかい続けなければならないのかなと前向きな気持ちになりました」と、新たな決意を述べました。