2011 人事院勧告

中高年ねらい打ちの賃金抑制強行!
職場の怒りを集めて府人事委員会へ

 人事院は、九月三十日に大震災の影響で、二ヵ月遅れで今年度の勧告・報告を行いました。その内容は、異例の無理やり給与を削減する政治的勧告となっています。


給与水準
人事院は、給与水準については、連合・経団連の調査でも今年の春闘相場が、前年度と比べて「現状維持」にもかかわらず、△八九九円(△〇・二三%)の三年連続のマイナス勧告を行いました。
現給補償額の段階的廃止例.JPG中高年層の給与抑制強行
本年勧告のもう一つの特徴は、五十代(四十代後半を含む)職員の給与抑制を強行したことです。①五十代を中心とした俸給月額の引き下げ(最高△〇・五%)、②現給保障を二年間で廃止、③五五歳を超える職員の一・五%の俸給・手当の減額の継続です。その一方で、現給保障の廃止に伴い捻出された財源を活用して、三十六歳未満の職員に二号、三十六歳以上四十二歳未満の職員に最大一号の昇給回復を実施します。
定年年齢早見表.JPG一時金
一時金については、据え置きの三・九五月の勧告を行いました。東北三県を除く民間の一時金調査結果は、三・九九月となっており、従来の計算方法では四・〇月の勧告が行われるはずです。ところが、「東北三県の状況は厳しいだろう」との予測を根拠に据え置いたことは、全く理解できない不当な勧告です。
定年延長問題
人事院は、勧告と同時に二〇一三年度から三年に一年ずつ段階的に定年を引き上げ、二〇二五年度に六十五歳定年とする意見の申し出を行いました。定年延長を申し出たことは、評価できますが、最大の問題は給与水準の大幅な引き下げです。人事院は、六十歳を超える職員の年間給与を六十歳前の七〇%に設定するとしています。民間企業などでは、再雇用など、雇用形態の変更を伴っている場合が多いとされています。今回の措置は、再任用ではなく定年の延長であり、それにふさわしい処遇などの制度設計が必要です。
平均退職年齢が五十一歳前後の学校現場では、定年延長自体が「絵に描いた餅」になりかねません。超過勤務の是正など、定年まで健康で働ける職場環境の整備が急務の課題です。
今後のたたかい
公務員給与をめぐっては、国家公務員の給与を一〇%削減する「臨時特例法案」が国会に提出されており、十月下旬に始まる臨時国会で審議されることとなっています。そのため、野田内閣による庶民増税(所得税、たばこ税など)反対のたたかい、「臨時特例法案」撤回のたたかいを大きく広げながら、京都府人事委員会に対して、人事院勧告への追随を許さないたたかいを広げる必要があります。
すべての教職員に「勧告」の問題点を伝え、府人事委員会への要請署名、交渉参加など積極的な取り組みを呼びかけます。