執行委員長 新谷 一男
連日の長時間過密な勤務でお疲れにもかかわらず、代議員として参加いただいていることに敬意を表したいと思います。
解散総選挙が迫り、明日がその前哨戦といわれている東京都議選挙の投票日という情勢の中で、この大会は開催されます。
昨年からの世界的な経済危機で、貧困の広がりと、雇用不安が増し、子どもたちに深刻な影響を与え、未来に対して展望も期待も持てないような事態を生み出しています。派遣や非正規の労働者たちは、解雇され生活の基盤を一気に崩されています。
自公麻生政権は、大企業擁護の姿勢を改めず、国民生活や労働者の雇用を守る施策を打ち出せない中、新たに一一〇もの労働組合が結成され、五千人を超える派遣や非正規の労働者が組合に加入し、いのちと生活を守るため立ち上がりました。
小泉政権時に加速した構造改革路線による深刻な医師不足で、国民のいのちの不安は増しています。このような情勢を受けて、来年の京都府知事選挙に民医連の第二中央病院院長の門祐輔さんが、「ひと、いのちが大切にされる京都府を作ろう」と立候補を表明されたことは大きな意味があります。
改悪教育基本法の具体化が進み、全国学力テストの実施が教師と子どもたちを点数競争に駆り立て、市教委ですら「数年に一度の抽出調査で十分。膨大な予算を教職員の増員などにあてるべき」と主張しています。教員免許更新でも、講座受講料は自己負担、申し込みも自己責任、受講しても全員が認定されるとも限らない制度で、「このような制度はやめるべきだ」の声が広がっています。また、授業時間増、道徳教育を教育の要に位置づける改訂学習指導要領も、現場や子どもたちの現状に合わないことが明らかになってきています。
新採一年目から退職する教職員も増え、うつ病を発症する割合は、他の労働者の割合を大きく上回る中、市教委も、長時間勤務の縮減通達を教育長名で出し、勤務時間途中に休憩時間を確保することを、各学校に徹底、さらに、勤務時間の出退勤調査を試行することを決めています。新採教員の身分回復のための高橋裁判は大阪高裁で勝利しました。超勤是正を求める裁判も十月一日に判決が出されます。この裁判を勝利して、教職員の働き方を抜本的に変えさせようではありませんか。
昨年の定期大会で「夜明け前の闇は特に暗いが、明けない夜はありません。また、暗い夜でも方向を指し示す星が輝いています」と述べましたが、まさにこの一年間は、国民の連帯と大きな運動が情勢を切り拓いてきました。四月早々、新採の方が加入、辞令交付式に案内した「先生の学校」に参加した新採者、組合を頼って相談に来られる未組合員、支えられる仲間を求め組合へ加入される方など、皆さんの努力で加入が進んでいます。
間近に迫った総選挙で、国民のいのちと暮らしを切り捨て、大企業言いなり、アメリカとの軍事同盟にしがみつく自公政治を終わらせ、平和と民主主義、憲法が生かされる政治の実現への大きな一歩を切り開きましょう。
代議員の皆さんの最後までの参加と、職場地域からのたたかいを反映した討論で、この大会を成功させることをお願いして、開会の挨拶とさせていただきます。