今 こそ、市教育予算の抜本的な組み換えを

 二〇一〇年度の京都市の予算案が発表されました。深刻な不況を反映し、法人税の減収が続き、さらに、生活保護費の大幅な増額も予想され、大変厳しい予算となっています。そのような中、新政権の政策を反映し、公立高校授業料を徴収しない議案や、子ども手当て(初年度半額)の予算が計上されるなど、要求も前進しています。また、長年の切実な要求だった幼稚園にフルタイムの事務職員(事務員)が配置されることも明らかにされています。


 その一方で、学校現場が求めていない市教委の重点施策に対する予算増も目立っています。文科省が国の予算で大幅に削った「長期宿泊体験事業」(四泊五日)の予算を倍化し、「土曜学習」の拡充(九千六百万円)、「京都学びの街生き方探求館」の第二工房の増設(一千五百万円)などに新たな予算がつけられています。さらに、教育環境整備予算は大幅に増やされていますが、そのかなりの部分が南区と東山区の学校統廃合(小中一貫校)整備にあてられています。
 今こそ市教委は、学校教育をより過密にし、子どもを競争に追い込む施策や、一部の特別な学校づくりのための予算を削減するべきです。そして年々削減されている学校経常運営費の増額や、就学援助基準の改善、教材費の増額による父母負担の軽減などに取り組むべきです。政権交代を契機に、憲法が保障している義務教育無償の原則に立ち返り、すべての子どもの就学保障に足を踏み出すときです。