市教組執行委員長 あいさつ(大要)

執行委員長 新谷 一男
 昨年は、総選挙の結果に見られるように、国民の声が自民党政治に終結を告げました。私たちは、大きく政治が前に動いたということを実感しました。民主党中心の鳩山内閣は、公立高校の授業料の無償化の実施や、若干でも教職員の増員をはかりました。しかし、学力テストは抽出にしたものの市町の教育委員会が希望すれば全校実施もできるようにしました。その結果、京都市では全校実施が市教委によって押しつけられました。教員免許制度の見直しも、教員養成の新制度が出来るまでは、現行制度を維持して、結局自己責任で大学での受講をつづけることになっています。


 このような政治姿勢は、いま一番の政治問題になっている普天間基地の移転問題で一層明らかです。選挙前の公約が国民に期待を持たせ、政権交代につながったものの、その後の推移は、結局アメリカの顔色を伺い、言いなりになって、沖縄県民に犠牲を強いるものとなっています。大きく国民の期待を裏切りました。自民党も結局、前の政治に逆戻りさせることしか考えていません。そして、離党者があいつぎ、次々と新党を結成していますが、この新党も、結局のところ、古い自民党政治の焼き直しにしか過ぎません。七月には参議院選挙が行われるという、歴史的な節目と言ってもいいような情勢の中で、この定期大会が開催されます。政治の動向待ちでなく、私たちの運動で要求を実現し、社会の発展を半歩でも一歩でも進めることが求められています。
 学校現場に目を向けると、高橋裁判で勝利し、高橋さんは現場復帰し、御室小学校で元気に子どもたちと学びあっています。超勤裁判でも、大阪高裁で、新たに二名の超勤実態が認められ、市教委に損害賠償が命じられる判決が出され、大きく前進しました。市教委は、抽出校だけですが、タイムレコーダーを設置し、一人一人の超過勤務の時間を計測しました。その実態を受け、超過勤務是正の教育長通達を昨年に引き続き出さざるをえませんでした。また、七日未満の病気も今までは年休を取って休んでいましたが、四月からは医者の領収書や、証明するものがあれば、病気休暇で休めることになりました。また、二期制の見直し作業をはじめようとしています。これらは市教組の団結と粘り強い運動があったからです。しかし、市教委は、自動車通勤の規制と駐車料金の有料化の強要、長期宿泊行事の試行実施校の拡大や、学力テストの全校実施、一方的な小中一貫教育の名の下に、大規模な統廃合をすすめています。
 これら市教委の強権的な教育施策に立ち向かうには、市教組の組織を大きく強くする必要があります。いま、青年部は毎年増え、青年どうしのつながりは、エデュカフェや下京先生の学校、エデュカフェ・イーストへと広がり、下南支部でも準備を始めています。いまこそ、高橋裁判の教訓を生かして、一年目だからこそ組合へ誘って入ってもらうことを、全分会で進めることが重要です。どの教職員も安心して働ける学校は、一人一人の子どもを大切にする学校につながります。子どもたちの未来のために、政治を変え、学校を変えるために、市教組の団結と強化を呼びかけます。