許せない 市教委の異動人事強行

京都マラソンのため現場教員4名市教委へ
京都市教委は、京都市当局の強い要請を受けて、十月一日付けで、学校現場で教壇に立ち、教育活動を行っていた四人の教員の異動人事を強行しました。その内容は、京都市が二〇一二年三月十一日に計画している「京都マラソン」の準備のために、体育健康推進室への異動を命じるものです。


具体的に命じられたのは、小学校二名、中学校二名の教員で、副教頭、体育の教師などで、その中には新採教員も含まれています。また、実際に十月三日も授業を行っていた教員もあり、未だに代替講師が配置されていない学校もあります(十月十一日現在)。
どの学校でも校長及び本人に知らされたのが九月二十五日以降で、全く「寝耳に水」の異常な人事異動です。管理職を含めて、「考えられない人事」と市教委へ再考を求めるとともに、憤りをもって教職員に報告された学校もあります。また、多くの教職員から疑問や抗議の声が上がっています。
今回の人事異動強行には大きな問題があります。①教育行政自らが学校教育に対する責任を放棄する極めて無責任な人事異動であること。②今回の人事には、学校現場から異動しなければならない必然性や緊急性が全くないこと。③人事異動方針にもない極めて異例の人事異動であること。④拙速かつ一方的な人事で、学校現場や本人に考慮する機会が与えられていない事実上の強制人事であること、です。もし、「京都マラソン」の成功のために人員が必要なら、市民や退職教職員、市教委の中にも、その仕事を担える人材はたくさんいるはずです。それらを確保する努力を行わずに、子どもや教職員の気持ちすら踏みにじる今回の異動人事は、絶対に許されるものではありません。
市教組は、決して「京都マラソン」の実施に反対する立場ではありません。しかし、子どもと教育に責任を持つ立場から、京都市当局の無責任な人事要請と、学校現場の実情を熟知している市教委がこの要請を諾々と受け入れ、学校現場に押し付けたことに抗議し、異動人事の撤回を強く申し入れました。