中学校の柔道必修開始 現場からも「不安」の声が!

709-2-3.JPG市教組は、京都市教育委員会に対して「武道必修化にともなう柔道の授業に関わる条件整備を求める要請書」を提出し、中学校で行われる柔道の授業について十分な安全対策を講じるよう申し入れをしました。


京都市教育委員会は、「投げ込み用マットを整備し、指導者の研修会も行ったので準備はできている」という認識でした。
市教組が三月に行ったアンケート結果では、「ケガのおこる割合が高い」「生徒にケガをさせないか不安だ」「武道場が老朽化し、狭くて危険」など、安全面で不安に感じている保健体育の教員が六〇%を超えています。
また市教委主催の柔道指導者のための研修会はわずかに二回行われているだけで、参加は悉皆ではなく、アンケートに回答した約半数の保健体育の教員は参加していません。
研修会に参加していても、「柔道経験の無い者が数回研修を受けただけで指導できるのか?」「研修会に参加したが、指導のポイントに不安がある」など、市教委の行った研修会が不十分だと思っている保健体育の教員が七〇%を超えています。さらに、大学で柔道の授業をいっさい受けていない保健体育の教員も約四〇%おり、新聞報道などで言われているように「初心者が初心者を教える」ということが現実に起きかねないのが実情です。
市教組では、子どもたちの命と安全を守る面から、今の条件のままで柔道の授業を行うことは大変危険だと考えています。アンケートでは市教委に対して「指導法やケガの予防についての研修会を増やしてほしい」「専門の指導者を派遣してほしい」「柔道場を設置してほしい」「柔道着の支給」などの切実な声が寄せられています。
市教組は、経験豊かな指導者の確保・体育教員への研修の強化・安全なカリキュラムや指導法の確立を求め、条件整備が整うまでは柔道の授業実施を延期することを要請しています。