給与カットは本年度限りの例外措置

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─教育条件の整備に全力を挙げる…生田教育長─
十一月二十九日、市教協教育長交渉、十二月六日に市教組単組交渉が行なわれ、職場・専門部から切実な要求が出されました。


全教「勤務実態調査二〇一二」を教育長へ 市教協教育長交渉
教育長交渉では冒頭に、先日発表された「勤務実態調査二〇一二」の冊子を教育長に手渡し、超過勤務の是正を求めました。
これに対して教育長は、教職員の日頃からの熱意あふれる教育活動へのお礼を述べ、やりがいを持って職務に専念できるよう、教育条件の整備に全力をあげると表明しました。また、「給与カットは、今年度限りの例外的措置として、国・府の動向を注視しながら四月以降は、中止したい」との回答を行ないました。
交渉団は、市教委が行なってきた時間外勤務の把握や超勤縮減通知が、現場に浸透していない実態を示し、見解を求めました。それに対し教育長は、すべての教職員の共通理解の中で教職員の意識も変わってきたと認識しているが、さらに意識喚起を図りながら、校務事務支援システムの導入による事務負担の軽減など、できることは最大限やっていくとしました。
その後、市田部長、春田課長より基本回答が行なわれました。その中で、国の補正予算で、学校施設の改修に使える予算を二十六億円確保していることなどが回答されました。また、査定評価の本格実施について、今後とも組合と検証・協議することを表明しました。そして超勤縮減については、「部活による超勤が生じている認識はあり、指導のあり方についても、改善にむけて検討していく必要がある」との認識を示しました。その後、労働条件や定員要求、高校選抜制度についてのやりとりを行ないました。
土・日とも部活動は「子どもにとってやりすぎ」と認識 単組交渉で市教委が回答
十二月六日の単組交渉では、長時間過密労働の解消にむけ、学校現場の厳しい実態を示し、市教委に実効ある改善策の策定を求めました。
冒頭基本回答で春田課長は、京都市においても歳入不足による厳しい予算状況が続いている中、経常運営費の水準を保つため引き続き努力していくと述べました。また、時間外勤務の縮減に向け、現場を支援し、教職員がやりがいを持って教育に専念できるよう条件整備に努めたい。本日の交渉では現場の声も、真摯に聞かせてもらいたいとの市教委の立場を表明しました。
その後のやりとりで、交渉団から、市教委の勤務実態把握の取り組みが不十分な点について追及しました。これに対して市教委は、「保護者対応の難しさなど、時間を超越せざるをえない課題も多くなっており、教職員が責任を果たすべく奮闘してもらっている」との認識を示しました。また「今の調査は完璧ではないが、やり続けることで教職員の意識も変化している」「飛躍的に長時間勤務が解消されているとは思わないが、職場の意識も変わってきている。校務事務支援システムを先行導入したところでは改善されたと聞いている」と述べました。
一方、現場では勤務時間や超勤について話題や議論になることはなく「月末にチェックシートに入力を求められるだけ」など、時間管理が管理職の責務として自覚されていない実態が指摘されました。また、青年から「職場で(超勤縮減について)発言することは難しい。教育行政としてもっと積極的に発信してほしい」など、切実な声が上げられました。
また、部活動について市教委は、「特に土・日について、教職員の超勤問題もあるが、それ以上に、子どもたちの成長・発達や余暇の活用などを考えるとやりすぎではないのか」との認識を示しました。
その後、母性保護や子育てについて、体育実技補助や育児短時間勤務などの制度の充実、職場や専門部からの現状と勤務条件改善を求める切実な要求が出されました。