在田新教育長「組合の要求を真摯に受け止める」

超勤縮減に部活動ガイドライン検討!!

 京都市教協(市教組・市高教組)は、六月二十九日に在田新教育長出席のもと、夏の教育長交渉を行い、税源移譲問題、教科書問題、超過勤務の是正問題などについてやりとりを行いました。

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超過勤務の縮減は喫緊の課題

 在田教育長は、新しい教育委員会制度について、「教育行政の継続性・安定性が確保され、執行機関としての権限も維持された。大きく変わったとは認識していない」と回答しました。また、政令指定都市への権限と税源の移譲問題では、「財源の確保、システムの構築などを行っている。必要な問題について組合とも協議する。基本的には市の勤務条件に合わせるが、教職員特有の課題については府の制度の継続も検討する」と回答しました。また、教育長は、「教職員の健康、メンタルヘルスの問題は十分認識している。超過勤務の縮減は喫緊の課題。全市校園長会で、『教育長通知』の趣旨を徹底した」と答えました。勤務時間把握については、「現行方式が最善」とし、さらに、不祥事の続発問題では、「コンプライアンスは最重要課題」と回答しました。

子どもに最適の教科書を採択

 その後のやりとりで、在田教育長は、中学校の教科書採択については、「指導部長の回答(あくまで子どもの教育にとって一番ふさわしい教科書を採択する)を変更するつもりは全くない。教育委員会として、より詳細な選考基準を作成した。教科書選定委員会には、保護者にも理解してもらえるような選考理由を提示するよう求めている」と答弁しました。

教職員が多忙なことは発信している

 超過勤務の縮減問題では、組合から横浜市の例を示し、調査と保護者へのメッセージを出すよう求めました。これに対して教育長は、「PTAの会合や人づくり21世紀委員会などでも、教職員が多忙なことは言っている。文書を出して誤ったメッセージにならないよう配慮することは必要だ」と述べました。

 その後、稲田総務部長が国の教職員定数をめぐる状況にもふれながら、財政状況の説明を行い、樫木企画課長が基本回答を行いました。やりとりの中では、子どもの健康と休みの確保、教職員のワークライフバランスを考慮し、部活動ガイドラインの協議を関係団体と行っていること、超勤シートの趣旨の徹底を再度行うことなどを回答しました。

市教委の主な回答

賃金関係
○一時金については6月30日に、期末手当1.25月、勤勉手当は、(S)0.93、(A)0.825、(B)0.72、(C)(D)0.72以下、支給する。
○諸手当については「府並」に措置する。
○「総合的な見直し」については、人事委員会の勧告を注視する。
○給与構造改革に伴う現給保障については、条例改正が完了しており、市の独自措置は困難。
○政令指定都市への税源移譲問題は、2016年2月の市議会に必要な条例改正を提案したい。11月の教育長交渉で決着をはかり、来年度は周知期間としたい。
労働条件など
○全教職員の勤務時間管理については、校園長会や学校訪問でも徹底をはかっている。
○育児短時間勤務の取得者は、今年度26名に増加している。(小学校16名、中学校6名、支援学校1名、高校3名)
○泊行事の振替は事前明示と取得できるよう指示を徹底している。連泊については、「2泊3日が原則」と説明会で徹底している。
○超過勤務の大きな要因となっている部活動については、ガイドラインの作成を含めて、関係団体と協議している。
○常勤講師について、任用と任用の間の空白が数日の場合も社会保険が継続できないか検討している。