共感と感動が広がった◆ 第38回 京都市教育研究集会 ◆


別ウィンドウで画像を拡大
十月二十四日・二十五日、第三十八回京都市教育研究集会が開催され、教職員・父母・研究者などが二日間でのべ三五〇人参加し、熱心に学び合い、交流を深めました。

一日目の全体会では、市教組教文部長の基調報告の後、特別報告として、洛北中学校の西原弘明さんが、「子どもたちの実態から出発する教育課程づくり」と題して、学力保障の取り組みを通して、学校づくりに取り組んだ報告を行いました。
記念講演では、「学びの土台を編み直す」と題して、埼玉大学教授の岩川直樹さんが、講演をされました。学校現場の子どもたちや、教師が悩みながらも成長していく姿を紹介し、貧困と学力問題について語られ、参加者に共感と感動を与えました。
二日目は、教科別(午前)と課題別(午後)の分科会に六十本のレポートが出され、二二〇人の参加で、熱心に論議と交流が行われました。


別ウィンドウで画像を拡大
学びの土台を編み直そう岩川 直樹さん
記念講演を行った岩川さんが、「貧困と学力」の問題を考えるきっかけとなったのは、小学校の授業を見に行って、机に突っ伏している子どもや、授業中ずっと、目がうつろで焦点が定まらない子どもが増えている現状を見たことでした。
その子らの「心とからだ」が傷ついている。「学力」の問題は、単に経済力の問題ではなく、人と人との関係の糸がズタズタにされている。問題の解決には、「学力」以前の学びの土台を編み直すことと指摘し、「スキル」「点数」ばかり重視する今の教育の問題点を指摘されました。
また、「貧困」の問題を単に、経済的に恵まれていない子どもの問題ととらえるのは間違いで、いわゆる「できる子」の学びにも弱さがある。やり方はわかっているが、「どうしてそうなるのか」その根拠は理解していない。だから、貧困の問題は「社会の貧しさ」ととらえることが必要。「格差社会」で、分断されている子どもたちが一緒に学び合う関係をつくりあげることの重要性を強調しました。

■教研感想■
久しぶりの教研参加です。日々の忙しさに埋没していて、とてもしんどい日々を送っていましたが、三つのレポートを聞いて、だんだん元気になってきました。基礎基本、スキル…子どもをどんどん追い込んでいく取り組みがされている今、忘れかけていた子どもを中心にした実践をしておられることを聞いて、月曜日からの取り組みに生かしていきたいと思います。 (国語小)
全校あげての取り組み、とても勉強になりました。やっぱり栄養教諭が、一校一人おられるとこんな実践ができるんだなと思いました。今、子どものからだや心の成長があぶないと言われている中、自分の生活を自分で見直すことができる力をつけることの必要性を感じました。(食と給食)