「危ない中学校教科書」の採択を許すな!

昨年十二月、京都市議会と府議会に奇妙な請願が出されました。今年行われる中学校の教科書採択を「教育基本法の趣旨にそって、教育委員会の責任で行うことを求める」という内容。請願人は「新しい歴史教科書をつくる会」京都支部の事務局長でした。「つくる会」は自分たちの教科書こそ教育基本法の「公共の精神」「伝統と文化」「我が国と郷土を愛する」という目標に最も適していると自賛しています。


今、全国的に「つくる会」教科書の採択を狙う動きが急になっています。神話と事実をごちゃ混ぜにし、日本の戦争と侵略を正当化し、天皇をことさら持ち上げる内容は、文科省の検定でも百三十六もの「誤り」「不適切」と指摘され、とても子どもに手渡せるものではありません。一部の公立中学校で「つくる会」教科書が使われている横浜市は、十八の採択区を一つにして全市一斉採択が狙われていますが、京都市も同じ時に三つの採択区が一つにされています。
市教組は二月市議会に「つくる会」教科書の内容の問題点を指摘した上で「民主的・教育的な採択」を求める請願書を提出しました。さらに多くの団体・個人に呼びかけて「偏狭なナショナリズムを鼓舞する『つくる会』教科書採択を許さない京都連絡会」を結成し、四月二十四日に「子どもと教科書を考える教育のつどい」(教育文化センター 十四時開会)を行い、それを起点に「危ない教科書NO!」の声を広げていこうと企画しています。